第1回目のコラムとなる今回は、飲食店および美容室に関する内容です。

小さな規模の飲食店や美容室の経営者にとって、某最王手のグルメ・美容ポータルサイトの存在は大きいと思います。

「掲載料高いよ〜」と思いつつも、来客が減るのを恐れるため解約できない、そんな方が多いんじゃないでしょうか。

そんな経営者の方に、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。

それはこのポータルサイトの基本的な仕組みについてです。

彼らの基本戦略はこうです。

まず「飲食店へ行きたい」「美容室へ行きたい」という顕在化したニーズを抱えた見込み客を、一旦全部自分たちのポータルサイトへと導きます。

膨大な費用を投下して検索上位を維持しているのも、同グループ内のサイトで使えるポイントを付与したりしているのも、そのため。いわゆるユーザーの囲い込みです。

そして集まったユーザーに対して店舗情報を伝えるわけですが、その際優先的に表示されるのは、支払っている広告費が多い店舗です。

だからお店の紹介ページは、敢えてお店の個性を出しにくいように設計されています。

工夫次第で広告費が低い店舗が上位表示されてしまっては、彼らの設計したモデルが根底から崩れてしまうからです。

彼らは最近、ホームページ替わりに使えるサイトまで用意してきていますが、このサイトはどれも没個性で、どのお店も同じに見えてしまいます。ここでも「個性を出されては困る」という基本思想がよく分かります。

そういうモデルなので、要するに小さい規模のお店はこのポータルサイト内では、広告予算に余裕のある大きなお店には絶対に勝つことができない、ということになります。

もちろんこれらポータルサイトの営業担当の方はみな真面目で実直な方が多く、少ない予算でもどうにか成果を上げる方法を提案してはくれます(私と知り合いの営業担当の方、見ていたらごめんなさい。でも伝えないといけないのです)。

しかしながら、大前提としてこのポータルサイトの、上で述べたような構造からはどうやっても逃れられないという点を理解しておく必要があります。

また、彼らは自分たちのポータルサイト経由以外で、できるだけお店にお客様がいかないようにいろいろと仕掛けてきています。彼らが悪いということでは決してなくて、資本主義という「お金がすべて」な仕組みの上では、彼らのやり方は正解なのです。

そういった資本主義のいけない面を象徴したような仕組みに、個人店は乗っかるべきではありません。ポータルサイトを運営しているのも大手資本、仕組みに乗っかって得するのも大手資本なのです。

ですから、個人店や小さな企業は、こういった大手資本が仕掛ける仕組みの外側で、地域の人びとへ自店の魅力を伝えていく努力をするべきです。

「そんなことは分かってるけど、売上減るのは怖いしどうしようもないんだよね」と諦めないでください。

個性ある個人店が資本主義の仕組みで搾取され、枯れ果てて市場からいなくなってしまうと、街は色褪せます。チェーン店ばかりの街ってつまらないじゃないですか。多彩なお店がひしめく魅力ある街にするためには、個人店ががんばらないといけない。

幸い、今の時代にはネット(インターネット)というすばらしい武器があります。やり方次第では、ごく少ない予算で、大きな企業を超えるほどの反響を得ることができます。

こういうと「バズる」ことを狙うような、いわゆる特殊な技能がないとできないようなものをイメージするかもしれません。

でも安心してください。ネットコンテンツ戦術の基本は特殊な技能ではなく「継続」です。「バズる」もコンテンツ配信を継続した結果起きたラッキーイベントみたいなものです。

ポータルサイトに頼らない情報発信、ぜひ取り組んでみてください。

この取り組みは早ければ早いほど効果が得られます。

「毎日お店を回すことで精一杯、広告はポータルサイトにおまかせ」ということになれば、あなたはただひたすら搾取されつづけることになります。

せっかく一念発起して起業したのですから、こういった搾取される仕組みから飛び出して、自由に商売をしようじゃありませんか。